【BAKE CHEESE TART】「BAKE CHEESE TART」のリブランディングの全貌 ─ 新しい商品とデザインに込めた“変容”のストーリー

【BAKE CHEESE TART】「BAKE CHEESE TART」のリブランディングの全貌 ─ 新しい商品とデザインに込めた“変容”のストーリー

BAKE INC.(以下、「BAKE」)は、11年目を迎えた「BAKE CHEESE TART」のリブランディングを発表しました。

前編では、取締役の北村が今回のリブランディングが示すBAKEの戦略の変化と未来について、語りました。後編ではリブランディング後の「BAKE CHEESE TART」の商品展開、コンセプトやデザインについて、プロジェクトマネージャーの馬場、クリエイティブ担当の藤本、ストアデザイン担当の勝部の3名に話を聞きました。

チーズの可能性を引き出した商品ラインナップ

― まずはプロジェクトマネージャーの馬場さんにお話を聞いていきたいと思います。今回のリブランディングについてお聞かせください。

馬場:今回のリブランディングのコンセプトは『Cheese Metamorphose ひと目惚れを、何度でも。』です。
「Metamorphose」はドイツ語で「変身、変形、変容」などを意味します。私たちのミッションである「しあわせに、BAKEる。」をブランド価値として継承し、そのコンセプトに重ねた「Metamorphose」をテーマにリブランディングを進めました。

私たちは、チーズにはまだまだ広がる可能性があると考えています。
その可能性を最大限に引き出し、もっと自由に、もっとわくわくするような形でチーズの美味しさを提案していきたい。そうした想いから、「焼きたてチーズタルト専門店」の枠を超え、「チーズ菓子専門店」として新たな展開を進めることにしました。

― 具体的には、どのような商品展開をしていくのでしょうか?

馬場:まず、タルトですが、これまで販売していたチーズタルトは「焼きたてチーズタルト オリジナル」として、変わらず販売します。さらに、新たにチーズを主役にしたタルトをラインナップに追加しました。


馬場:新商品の「焼きたてタルト ミルキーマスカルポーネチーズ」は、マスカルポーネならではの口当たりの軽やかさやクリーミーさを、より引き出した一品です。北海道産のマスカルポーネチーズムースに、やさしい甘さのミルクソースを重ね、ココアとアーモンドパウダーを練り込んだタルトカップで包みました。仕上げにトッピングしたサクサクのクランブルがアクセントになり、食感の楽しさも味わえるタルトに仕上げています。

「焼きたてタルト 焦がしキャラメルベイクドチーズ」は、濃厚な北海道産クリームチーズムースに、コク深い焦がしキャラメルソースを重ねたタルトです。しっとりとしたチーズムースの食感と、ほろ苦く香ばしいキャラメルソースが絶妙なバランスを生み出しています。チーズの豊かなコクとキャラメルの芳醇な香りが重なり合う、大人の味わいを楽しんでいただけるタルトです。

 ― タルト以外の商品展開についても教えてください。

馬場:昨年、BAKE CHEESE TARTが10周年を迎えた際に「焼きたてチーズフィナンシェ」を新たに発売しましたが、今回のリブランディングでは新商品として、「ベイクTHEスフレケーキ」と「ベイクTHEクッキー」をご用意しています。


馬場:「ベイクTHEスフレケーキ」は、こだわり抜いた北海道産のクリームチーズとマスカルポーネチーズを使用しています。さわやかなチーズの酸味とやさしい甘さが特徴の、ふわっと口の中でほどけるスフレケーキです。

「ベイクTHEクッキー」は、チーズの風味を活かした2種類の味をご用意しています。
ひとつは、ほのかな塩味とカマンベールチーズの濃厚な香ばしさがクセになるカマンベールチーズ味。そしてもうひとつは、マスカルポーネとバターのコクが深く、やさしい甘さが楽しめるミルキーマスカルポーネチーズ味です。それぞれのチーズの特徴を最大限に引き出した、チーズ好きの方にはたまらないクッキーになっていると思います。

 ― リブランディングにあわせてオープンした新店舗についてもお聞かせください。

馬場:はい、4月12日に新店舗として、BAKE CHEESE TART 10店舗目となる大阪髙島屋店をオープンしています。
店舗デザインについては、担当の勝部さんからお話いただこうと思いますが、この店舗では、限定商品として「ベイクTHEケーキ〈北海道クリームチーズ〉」を販売しています。北海道産のクリームチーズとマスカルポーネチーズをブレンドした、濃厚でとろけるような口当たりのチーズケーキです。ぜひお近くにお越しの際には、お立ち寄りいただきたいです。


チーズ菓子の概念を溶かしていくブランドの姿勢をデザインで表現

― それでは続いて、リブランディングのアートディレクションを担当された藤本さんにクリエイティブ面についてお話を伺っていきたいと思います。今回のリブランディングでは、ロゴやブランドカラーも大きく変更となりました。デザインのコンセプトについて教えてください。


藤本:ロゴのシンボルは、「とろけだすチーズ」をモチーフにしつつ、視点によって見え方が変わる「錯視」を取り入れたデザインになっています。これは、チーズ菓子の可能性をさまざまな角度から自由な発想で探求し続けるブランドの姿勢を表現するとともに、何度でもおいしさの感動や驚きを楽しんでほしいという想いを込めています。

また、ロゴの文字のデザインにもこだわっています。
たとえば「K」はくねっと曲がっていたり、「CHEESE」の「E」と「S」は繋がって花のような形に。さらに「C」も丸みを帯びていて、実はどれもリブランディング後のBAKE CHEESE TARTで展開していくタルトの形状に寄せているんです。

さらに、ロゴを拡大すると外側はエッジがしっかりと角張っているのに対し、内側はとろけたようなデザインになっていて、まさにチーズがとろけだす瞬間を表しています。ブランドの既成概念を溶かし、新たな挑戦を続けていくという姿勢を文字でも表現してみました。

 ― ブランドカラーにはどのような意味があるのでしょうか?

藤本:今回のリブランディングでは、ブランドカラーを3色設定しました。


藤本:メインとなるのが、「ミルキーホワイト」。チーズのまろやかさや浮遊感を表現しています。
2色目は「ライラックブルー」です。淡い赤みがかったブルーで、焼きたての熱(=Red)と自由な発想(=Blue)を掛け合わせた色として使っています。
3色目は「シルバー」、これはまだ見ぬチーズの可能性や変幻自在なブランドの姿勢の象徴として置いています。


藤本:また、キービジュアル(KV)は、とろけたチーズからインスピレーションを得た無定型な世界観を取り入れました。自由な視点でチーズ菓子の概念を溶かしていくブランドの姿勢をビジュアライズし、新生BAKE CHEESE TARTのキーワードである「Metamorphose」、変幻自在な可能性を表現しています。

 ― パッケージデザインはブランドカラー3色をふんだんに使っていますね!


藤本:はい、パッケージはミルキーホワイトとライラックブルーを用いて、表面にはシルバーの箔押しを施し、留めシールにもシルバーを採用しました。とろけだすチーズをイメージした曲線をグラフィックに採用することで、チーズ菓子のおいしさへの期待が膨らむデザインにしています。


藤本:また、タルトを入れる6個箱もデザインを刷新しました。
このBOXに種類の増えたタルトを入れたら、社内からは「アフタヌーンティーみたい!」という声も上がりました。新しいデザインと商品で、お客さまにわくわくした気持ちになっていただけたら嬉しいです。

ブランドの世界観を体感してもらえる店舗デザインに

― では最後に、店舗のデザインについて、担当の勝部さんにお話を伺いたいと思います。今回のリブランディングで、店舗デザインも大きく変わりましたよね。

勝部:はい。日本国内にある既存店9店舗にてデザイン変更をおこなうとともに、リブランディングに合わせ新しいデザインの新店舗、大阪髙島屋店がオープンしました。お客さまが商品と最初に出会う「店舗」は、ブランドの世界観を体感してもらえる大切な場所です。新たなブランドコンセプトである「Metamorphose(変容)」を、どのように空間へ落とし込んでいくのか、とても悩みました。

 ―「Metamorphose」を、どのようにデザインされたのでしょうか?

勝部:店舗で最も大事な存在は『商品』。この考えはリブランディングする前も後も変わりません。そのためフォーカスしたのは『商品』の魅力を一番引き立てる存在である「商品陳列カウンター」でした。

チーズの可能性やブランドの姿勢を包含する「Metamorphose」という言葉から、「形にとらわれない自由な動き」や「自然な曲線」、そして「流れるようなフォルム」をイメージしました。そしてこの表現を追求していった結果、辿り着いたのが3Dプリンターの技術でした。

 ― 3Dプリンターですか!近年注目されていますよね。でも実際に3Dプリンターで成形されたものに触れたり、見たりする機会は多くないように思います。どのようなデザインのカウンターになったのでしょうか?

勝部:既存の「商品陳列カウンター」の上に、3Dプリンターで成形した「シェル(殻)」を被せることで、今あるものを活かしつつ大きく印象を変えることを試みました(北千住店を除く)。「シェル(殻)」は透明な樹脂で成形された異なる2層で構成されており、下の層に塗装を施し内側から照明を当てることでブランドカラーのライラックブルーの色味にも濃淡が生まれ、形状のみならず有機的なボリュームを創ることが出来ました。また、カウンター全体を柔らかく包み込むように覆う「シェル(殻)」は、しっかりと時間をかけて変容していく姿を重ね合わせられたかなと感じています。


― こんな大きな造形を3Dプリンターで出力できるんですね?

勝部:すごいですよね。この「シェル(殻)」のデザイン検証と3Dプリンターでの製造は、「sekisai」(https://sekisai.com/)さんにお願いしました。3Dプリンティングを専門とするデザイン・ファブリケーションスタジオで、非常に優れた技術とデザイン性を持たれています。

BAKEでは、創業当初から業界でもまだあまり知られていない若手のデザイナーやアーティストと手を組み共業することで店舗を創ってきました。お菓子屋の枠にとらわれない発想の技術やデザインを落とし込むことで、イノベーター層からの関心も高まり、BAKEブランドの価値向上にも繋がっていると感じています。もちろん、関わってくださったクリエイターが注目されるきっかけになることも嬉しいですね!

 ― 全店舗で3Dプリンター造形が導入されたのですか?

勝部:今回導入することができたのは、先ほどの店舗写真の4店舗です。設置できるスペースや建物の規制、コスト面などの制約もあり全店導入とはいきませんでしたが、その他の6店舗でもリブランディングのデザインコンセプトをしっかり表現した店舗になっています。

 ― 他の店舗はどのようなデザインになったのですか?

勝部:3Dプリンター造形が導入できなかった店舗では、ブランドカラーを全面に押し出したデザインにしています。


勝部:どの店舗も今回のリブランディングの世界観を感じていただけるようにデザインとなっており、それぞれの個性が光る空間に仕上がっています。店舗ごとに違う表情を見せながらも、「変容」という新しいブランドのコンセプトがどこかに息づいていますので、ぜひいろんなお店を訪れて、その違いを楽しんでいただけると嬉しいです。

 ― それでは、最後に馬場さんからお客さまに一言お願いします!

馬場:今回のリブランディングを通して、私たちは「チーズって、こんなにも自由で楽しいものなんだ」と感じていただけるようなブランドを目指しました。


馬場:私たちは「チーズ菓子専門店」として、これからもチーズの無限の可能性を探求しながら、より多くのお客さまにわくわくするようなおいしさを届けていきたいと考えています。BAKE CHEESE TARTの商品に何度もひと目惚れをしていただけたら嬉しいです。

ぜひ、新しく生まれ変わったBAKE CHEESE TARTをお楽しみください!

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