【贈り物のマナー】熨斗(のし)とは

【贈り物のマナー】熨斗(のし)とは

【熨斗(のし)とは?】

  • 1.のしとはそもそも何?
  • 2.のし紙とリボンを一緒につけてもいいですか?
  • 3.のし紙は包装紙の中と外、どちらにつけるのが正解?
  • 4.同じ贈り物に複数ののし紙をつけてもいいですか?
  • 5.短冊のしは一般的なのし紙を簡易的にしたものですか?
  •  

     

    〈1.熨斗(のし)とはそもそも何?〉


     結婚した同僚にちょっとした贈り物をあげたら、「内祝」と書かれた謎の紙がついたお返しをもらった、取引先の会社からジュース詰合せが送られてきたが、「御祝」と書かれた紙が貼ってあった・・・。
     これらの紙は、「のし紙」と呼ばれるものです。

     のし紙は、以下のような構成で成り立っています。

    それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

    ・熨斗(のし)

    のしとは、のし鮑(のしあわび)が省略されたもののことです。のし鮑とは、「あわびを薄く長く切り、引き伸ばして乾かしたもの」のことです。冷蔵庫などない古来では生ものは特に珍重されていましたが、特にのし鮑は神事のお供え物に使われる、とても貴重で栄養価の高いものでした。昔は「贈り物=神仏へのお供え物」という考え方が一般的でした。
    そのため、現代になり贈り物が簡略化されのし鮑以外のものが贈られるようになっても、その名残としてフォーマルな贈り物にはのし紙をつけるようになったと考えられています。

    のしは元々のし鮑が省略されたものであるため、生もの以外につけるのが慣例となっています。そのため、生鮮食品にはつけません。また、弔事(葬儀などのお悔やみ事)は、「殺生を禁じている仏前へのお供え」であるため、のし鮑はつけません。現代においてこれらの場合はのし紙ではなく、「掛け紙(かけがみ)」をつけるので気をつけましょう。

    ・水引(みずひき)

    水引は古来、贈り物を包む紙を結び留めるためのこよりのことを指していました。こよりとは、紙をねじって細い頑丈な糸状にしたもので、大人が引っ張ってもなかなか切れない状態にすることを言います。
    この水引は、「未開封である証明」、「紐を結んでいることで人と人との縁を結ぶ」、「魔除け」などの意味があります。
    また、結び方によって贈り主のこころを表すツールでもあります。

    ・表書き(おもてがき)

    表書きとは、のし紙の上段、水引の上に書く、「贈り物を贈る目的」のことを指します。
    「御祝、内祝(お返しのこと)、御礼、ご挨拶、御見舞、寿(結婚祝)、志(弔事のお返し)」などなど、用途によって様々です。
    また、昨今では、「お世話になりました」「いつもありがとう」などの、文章になった表書きもよく見られるようになってきました。のし紙は「贈り主のこころを表す簡略化されたもの」であるため、間違いではありません。ただ、贈り先が目上の方やビジネスシーンの場合などでは、一般的な表書きを使用した方が良いでしょう。

     似たようなデザインで封筒の形状をしているものを「祝儀袋(しゅうぎぶくろ)」、もしくは「のし袋(のしぶくろ)」と呼びます。こちらは金銭を入れるための袋で、のし紙はあくまで物品につけるものです。

     

    〈2.のし紙とリボンを一緒につけてもいいですか?〉

     「目上の女性に贈るからきちんとのし紙をつけよう、でも可愛く見せたいからリボンもつけようかな?」あまりに贈る相手を大事にするあまり、いろいろつけたいと考えてしまいがちです。しかし、これは間違いです。のし紙は日本の伝統、対してリボンは西洋から来たものですので、両方つけてしまうと和洋折衷となり、「気持ちの二重重ね」と捉えられてしまいます。慣例をよくご存知の方の中には「厚かましい」と思われかねませんので気を付けましょう。

     

    〈3.のし紙は包装紙の中と外、どちらにつけるのが正解?〉

     のし紙を直接贈り物に貼り、その上から包装紙で包むことを「内のし」と言います。対して、贈り物を包装紙で包み、その上にのし紙を貼ることを「外のし」と言います。
     結果から言いますと、どちらも間違いではありません。
     古来では、贈り物を紙で包んでそれを水引で留めるため、必然的に全て外のしでした。現代では、通例として以下のような使い分けをされることが多く見られます。

    ・内のし

    一見してのし紙がわからないため、控えめな贈り物にしたい場合に用いることがあります。また、ダンボールなどに入れない簡素化された配送の場合は外側に配送伝票を貼付する必要があるため、自ずと内のしにすることが多いようです。

    ・外のし

    パッと見て表書きや贈り主がすぐわかるため、品物を手渡しする場合やビジネスシーンなど、幅広い場合でよく使われています。

     

    〈4.同じ贈り物に複数ののし紙をつけてもいいですか?〉

     「この前お世話になった企業に御礼を贈りたい、しかも創業して〇年の御祝らしいから、その分の御祝も同時に渡したい!同じ贈り物に複数ののし紙をつけてもいいのかな?」
     こういった場合もまれに起こるかと思います。このような場合は、どちらか一方のみののし紙を付け、もう片方についてはメッセージカードで気持ちを伝えるなどで対応すると良いでしょう。もちろん、この場合は「御礼」、「御祝」で別々の贈り物を用意するのも問題ありません。
     同時に複数ののし紙をつけたいような場合、のし紙の表書きに書くのは「最近起きた出来事」を優先するのが良いかと思いますが、贈り先や関係性、事情などを踏まえてどちらを優先しても間違いではありません。

     

    〈5.短冊のしは一般的なのし紙を簡易的にしたものですか?〉

     のし紙には、贈り物の大部分を包むような一般的なのし紙と、贈り物に貼り付ける短冊のしがあります。短冊のしはサイズが小さいため簡易的に見られてしまいがちですが、一般的なのし紙と意味合いは変わらず、贈る相手の失礼に当たることはありません。また、あえて短冊のしを使用することで、控えめに見せる場合もあります。
     短冊のしは贈り物の中央ではなく、右上にテープやのりなどで貼り付けるのが一般的です。

     

    ▼ギフトおすすめ商品はこちら
    https://bake-the-online.com/collections/press-butter-sand-gift
    一覧へ戻る
    次の記事へ